完了検査と検査済証とは?使用制限・仮使用認定の仕組み(法第7条・第7条の6)

ルート君

工事が終わったあとの「完了検査」と「検査済証」って何が違うの?

完了検査は、工事が完了したときに受ける検査で、建築基準法第7条に定められています。検査に合格すると交付されるのが検査済証です。

建築確認(着工前の図面審査)・中間検査(工事途中)に続く最後の検査で、一定の建築物は検査済証の交付を受けるまで原則として使用できません(法第7条の6)。

完了検査はどんな手続きか

項目 内容
根拠条文 建築基準法 第7条(建築主事による完了検査)/第7条の2(指定確認検査機関による完了検査)
申請の時期 工事を完了した日から4日以内に申請(建築主事等に到達)
検査の時期 建築主事は申請を受理した日から7日以内に検査を実施
合格の効果 建築基準関係規定に適合していれば検査済証を交付

建築基準法 第7条(完了検査)の骨子

建築主は、工事を完了したときは、その旨を建築主事に申請しなければならない。申請は、工事が完了した日から4日以内に建築主事に到達するようにしなければならない。建築主事は、申請を受理した日から7日以内に検査をし、建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、建築主に対して検査済証を交付しなければならない。

完了検査はどんな流れで進むのか

完了検査は次の流れで進みます。

段階 内容
① 申請 工事完了日から4日以内に完了検査を申請する。
② 検査 建築主事は受理日から7日以内に、建築物・敷地が建築基準関係規定に適合しているか検査する。
③ 検査済証の交付 適合が確認されると検査済証が交付される。

検査済証は、その建築物が建築基準関係規定に適合していることを公的に証明する書類です。住宅ローン・建物の売買・増改築の確認申請などの場面でも、検査済証の有無が問われます。

誰が完了検査を行うのか

完了検査は、建築主事(特定行政庁)が行う場合(法第7条)と、指定確認検査機関が行う場合(法第7条の2)があります。指定確認検査機関が完了検査を行い、適合と認めたときは検査済証を交付し、その旨を特定行政庁に報告します。

建築確認・中間検査・完了検査は、いずれも建築主事と指定確認検査機関のどちらでも受けられます。

検査済証の交付前は建築物を使えないのか(法第7条の6)

法第6条第1項第一号から第三号までの建築物(特殊建築物・大規模建築物など、確認・完了検査を要する一定規模以上の建築物)は、検査済証の交付を受けた後でなければ、原則として使用し、又は使用させてはなりません(法第7条の6)。

これは、構造・防火・避難などの安全性が完了検査で確認される前に建築物を使い始めることを防ぐための規定です。なお、比較的小規模な建築物(旧第四号建築物に相当するもの)はこの使用制限の対象外です。

建築基準法 第7条の6(検査済証の交付を受けるまでの使用制限)の骨子

法第6条第1項第一号から第三号までの建築物の建築主は、検査済証の交付を受けた後でなければ、当該建築物を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、検査済証の交付前でも仮に使用することができる。

仮使用認定とはどんな制度か

使用制限には例外があり、次のいずれかに該当すれば検査済証の交付前でも仮に使用できます(仮使用認定)。

区分 仮使用が認められる場合
第一号 特定行政庁が、安全上・防火上・避難上支障がないと認めて仮使用を認定したとき
第二号 建築主事又は指定確認検査機関が、国土交通大臣が定める基準に適合すると認めて仮使用を認定したとき
第三号 完了検査の申請が受理された日から7日を経過したとき

仮使用認定はもともと特定行政庁・建築主事だけが行えましたが、平成27年(2015年)6月施行の改正と基準告示(平成27年国土交通省告示第247号)により、指定確認検査機関も仮使用認定を行えるようになりました。工事を段階的に進めながら一部を先行して使う場合などに用いられます。

確認・中間検査・完了検査はどうつながっているのか

建築物の安全性は、3つの段階でチェックされます。

段階 タイミング 確認する内容
建築確認 着工前 図面・構造計算が建築基準関係規定に適合するか(法第6条・第6条の2)
中間検査 工事途中(特定工程) 配筋など完成後に隠れる部分の施工(法第7条の3)
完了検査 工事完了後 完成した建築物・敷地の最終的な適合性(法第7条)

このうち構造計算の妥当性そのものは、ルート2・3などで構造計算適合性判定が別途行われます。完了検査は、これら一連の確認・検査を締めくくる最終段階です。

なぜ完了検査・検査済証が重要なのか

建築確認は着工前の図面審査にすぎず、図面どおりに施工されたかは現地を見なければ分かりません。完了検査は、完成した建築物が実際に建築基準関係規定に適合しているかを確認する最終チェックです。

検査済証は適法に完成したことの公的な証明であり、これがないと使用制限がかかるだけでなく、将来の増改築・売買・融資にも支障が生じます。構造の安全性を「設計(確認)→施工(中間検査)→完成(完了検査)」の流れで担保する、最後の要となる手続きです。

試験で問われやすいポイント

  • 完了検査の根拠は法第7条(建築主事)・第7条の2(指定確認検査機関)。申請は工事完了後4日以内、建築主事は受理後7日以内に検査し、適合すれば検査済証を交付。
  • 使用制限(法第7条の6):法第6条第1項第一号〜第三号の建築物は、検査済証の交付を受けるまで原則使用・使用させてはならない。小規模建築物(旧第四号相当)は対象外。
  • 仮使用認定(法第7条の6):①特定行政庁の認定、②建築主事・指定確認検査機関の認定(大臣基準=平成27年告示247号)、③完了検査申請受理から7日経過、のいずれかで仮使用可。指定確認検査機関による認定は平成27年改正で追加。
  • 検査体系:確認(着工前)→中間検査(特定工程)→完了検査(完成後)。申請期限「完了後4日以内」は中間検査と同じ。

一問一答

Q. 完了検査の申請期限と、建築主事の検査期限は?

答えを見る

A. 建築主は工事完了日から4日以内に完了検査を申請する(建築主事へ到達)。建築主事は申請受理日から7日以内に検査し、適合していれば検査済証を交付する(法第7条)。

Q. 検査済証の交付前に建築物を使用できるか(法第7条の6)。

答えを見る

A. 法第6条第1項第一号〜第三号の建築物は原則として検査済証の交付を受けるまで使用できない。ただし、①特定行政庁の仮使用認定、②建築主事・指定確認検査機関の仮使用認定(大臣基準に適合)、③完了検査申請受理から7日経過のいずれかに該当すれば仮使用できる。

Q. 確認・中間検査・完了検査はどう違うか。

答えを見る

A. 建築確認は着工前の図面審査(法第6条)、中間検査は工事途中の特定工程の検査(法第7条の3)、完了検査は完成後の最終検査(法第7条)。構造計算の妥当性は別に構造計算適合性判定(法第6条の3)で確認される。

この記事のカテゴリの記事一覧は総則・第20条にまとめています。

最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。使用制限の対象(法第6条第1項の号区分)はR7.4.1改正で再編されているため、対象範囲は最新の条文・所管行政庁でご確認ください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。

参照

  • 建築基準法 第7条(建築主事による完了検査・検査済証)
  • 建築基準法 第7条の2(指定確認検査機関による完了検査)
  • 建築基準法 第7条の6(検査済証の交付を受けるまでの使用制限・仮使用認定)
  • 平成27年国土交通省告示第247号(仮使用認定に係る国土交通大臣が定める基準)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。