指定確認検査機関とは?建築主事との違いと確認・検査の役割(法第6条の2・第77条の18)

ルート君

確認や検査をする「指定確認検査機関」って、役所の建築主事と何が違うの?

指定確認検査機関は、建築確認・中間検査・完了検査を行う民間の機関で、建築基準法第6条の2・第77条の18以下に定められています。

その確認は建築主事による確認とみなされます。平成11年(1999年)の改正施行でそれまで建築主事だけが行っていた確認・検査が民間に開放されました。

指定確認検査機関はどんな機関か

項目 内容
根拠条文 建築基準法 第6条の2(指定確認検査機関による確認)/第77条の18〜第77条の35(指定・業務・監督)
指定する者 業務区域が2以上の都道府県にわたる場合は国土交通大臣、1の都道府県の区域内の場合は都道府県知事(法第77条の18)
業務 建築確認(法第6条の2)・中間検査(法第7条の4)・完了検査(法第7条の2)
実際に審査・検査する人 確認検査員(建築基準適合判定資格者のうちから選任)

建築基準法 第6条の2(指定確認検査機関による確認)の骨子

第6条第1項の確認は、指定確認検査機関の確認を受け、確認済証の交付を受けたときは、建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けたものとみなす。指定確認検査機関は、確認をしたときは、その旨を確認済証の交付後、特定行政庁に報告しなければならない。

誰が指定確認検査機関を指定するのか

指定確認検査機関は、その業務を行おうとする区域(業務区域)の広さに応じて、次の者が指定します(法第77条の18)。

業務区域 指定する者
2以上の都道府県にわたる場合 国土交通大臣
1の都道府県の区域内の場合 その都道府県知事

指定確認検査機関で実際に確認や検査を行うのは「確認検査員」です。確認検査員は、建築主事と同じく建築基準適合判定資格者(建築基準適合判定資格者検定に合格し国土交通大臣の登録を受けた者)のうちから選任されます。

どんな業務を行うのか

指定確認検査機関は、建築確認だけでなく、その後の中間検査・完了検査も行えます。

業務 根拠 交付する書類
建築確認 法第6条の2 確認済証
中間検査 法第7条の4 中間検査合格証
完了検査 法第7条の2 検査済証

確認・検査を行ったときは、その旨を特定行政庁に報告する義務があります。現在は、建築確認の多くが建築主事ではなく指定確認検査機関に申請されています。

建築主事(特定行政庁)と何が違うのか

建築主事と指定確認検査機関は、どちらも確認・検査を行い、その効果は同じです。ただし役割の範囲が異なります。

項目 建築主事(特定行政庁) 指定確認検査機関
位置づけ 地方公共団体の機関(行政) 大臣・知事が指定した民間等の機関
確認・検査 行う 行う(効果は建築主事と同じ)
違反建築物への是正命令等の行政処分 特定行政庁が行う 行えない(確認・検査のみ)

指定確認検査機関は確認・検査までを担い、違反建築物への是正命令などの行政処分は特定行政庁が行います。特定行政庁は、指定確認検査機関に対する立入検査・指導監督を行う立場にあります。

構造計算適合性判定とはどんな関係にあるのか

一定の建築物では、確認とは別に構造計算適合性判定(法第6条の3)が必要です。これは確認の前提として構造計算の妥当性を審査する手続きで、都道府県知事または知事が業務を行わせる「指定構造計算適合性判定機関」が行います。

つまり、確認・検査を行う「指定確認検査機関」と、構造計算の妥当性を判定する「指定構造計算適合性判定機関」は別の制度です。ルート2・3などで構造計算適合性判定が必要な場合は、確認と並行して判定の手続きが進みます。

なぜ民間開放されたのか

かつては建築確認・検査は建築主事(特定行政庁)だけが行っていましたが、確認件数の増加に対して建築主事の体制が追いつかず、審査の停滞が課題となっていました。

そこで平成11年(1999年)施行の改正で、一定の要件を満たす民間機関を「指定確認検査機関」として確認・検査を行えるようにしました。これにより確認・検査の迅速化が図られた一方、後の構造計算書偽装事件を契機に、構造計算適合性判定(法第6条の3)の創設など審査体制の強化も行われました。

試験で問われやすいポイント

  • 指定確認検査機関の確認は建築主事の確認とみなされる(法第6条の2)。確認・中間検査(法第7条の4)・完了検査(法第7条の2)を行い、特定行政庁に報告する義務がある。
  • 指定する者(法第77条の18):業務区域が2以上の都道府県なら国土交通大臣、1の都道府県内なら都道府県知事。
  • 確認・検査を行うのは確認検査員(建築基準適合判定資格者から選任)。建築主事と同じ資格。
  • 違い:違反是正命令などの行政処分は特定行政庁のみが行い、指定確認検査機関は確認・検査に限られる。構造計算適合性判定は別制度(指定構造計算適合性判定機関)。

一問一答

Q. 指定確認検査機関の確認の効果と、指定する者は?

答えを見る

A. 指定確認検査機関の確認は建築主事の確認とみなされる(法第6条の2)。指定する者は、業務区域が2以上の都道府県にわたる場合は国土交通大臣、1の都道府県内の場合は都道府県知事(法第77条の18)。

Q. 建築主事と指定確認検査機関の違いは?

答えを見る

A. どちらも確認・検査を行い効果は同じだが、違反建築物への是正命令などの行政処分は特定行政庁(建築主事)のみが行える。指定確認検査機関は確認・検査に限られ、特定行政庁の指導監督を受ける。確認・検査を行うのはいずれも建築基準適合判定資格者。

Q. 指定確認検査機関と指定構造計算適合性判定機関は同じか?

答えを見る

A. 別の制度。指定確認検査機関は確認・検査を行う(法第6条の2等)。構造計算適合性判定(法第6条の3)は、都道府県知事または指定構造計算適合性判定機関が、構造計算の妥当性を審査する別の手続き。

この記事のカテゴリの記事一覧は総則・第20条にまとめています。

最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法 第6条の2(指定確認検査機関による確認)
  • 建築基準法 第7条の2(完了検査)・第7条の4(中間検査)
  • 建築基準法 第77条の18〜第77条の35(指定確認検査機関の指定・業務・監督)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。