構造材料とは?JIS規格・大臣認定品の要件と品質基準(法第37条)
ルート君
構造材料って、どんな規定があるの?
法第37条は、構造耐力上主要な部分に使用する材料の品質に関する基本規定です。
JIS規格(日本産業規格)に適合した材料、または国土交通大臣が認定した材料を使用することが原則として求められます。これにより、設計で想定した許容応力度・材料強度が実際の部材で確保されることが担保されます。鉄筋・鋼材・木材いずれも対象です。
建築基準法 第37条(建築材料の品質)
構造耐力上主要な部分に使用する木材、鋼材、コンクリート等の建築材料は、次の各号のいずれかに該当するものとして、国土交通大臣が指定した規格に適合するもの又は国土交通大臣の認定を受けたものでなければならない。
法第37条は構造材料に何を求めているのか
法第37条は「構造耐力上主要な部分に使用する木材・鋼材・コンクリート等の材料は、以下のいずれかでなければならない」と定めています。
| 材料の種別 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| JIS規格品 | 日本産業規格(JIS)に適合する材料 | 法第37条第一号 |
| 国土交通大臣認定品 | 国土交通大臣が建築材料として認定した材料(高強度材等) | 法第37条第二号 |
各材料にはどんなJIS規格が適用されるのか
| 材料の種類 | 主なJIS規格 | 適用 |
|---|---|---|
| 鉄筋(異形鉄筋) | JIS G 3112(鉄筋コンクリート用棒鋼) | RC造・SRC造の主筋・帯筋等 |
| 軽量形鋼・H形鋼等の鋼材 | JIS G 3192(熱間圧延H形鋼) JIS G 3136(建築構造用圧延鋼材 SN材) |
鉄骨造の柱・梁・ブレース等 |
| 高力ボルト | JIS B 1186(摩擦接合用高力六角ボルト) | 鉄骨造の接合部 |
| 鋼管(角形・円形) | JIS G 3466(一般構造用角形鋼管) JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管) |
鉄骨柱・ブレース等 |
木材の品質はどう規定されているのか(令第41条)
木材は法第37条第二号の規定のほか、令第41条においても品質に関する規定が設けられています。
| 項目 | 規定内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 耐力上の欠点 | 節・腐れ・繊維の傾斜・丸身等による耐力上の欠点がないものとすること | 令第41条 |
| 含水率(乾燥材) | 構造用製材は乾燥材の使用が望ましい(含水率20%以下が目安)。これは令第41条の規定ではなくJAS・基準強度告示が前提とする乾燥状態 | JAS・告示第1452号 |
| JAS規格材・等級区分 | 集成材・構造用製材はJAS(日本農林規格)に基づく目視等級・機械等級の格付けが品質の指標となる | 告示(平成12年告示第1452号等) |
国土交通大臣認定品はどんな場合に必要なのか
JIS規格に規定されていない高強度材や新材料については、国土交通大臣の認定(法第37条第二号)を取得することで使用が認められます。
| 材料の例 | 内容 |
|---|---|
| 高強度コンクリート(Fc36N/mm²超) | 通常の仕様規定外となる高強度コンクリートは大臣認定が必要(特殊な材料強度は平成13年告示第1024号) |
| 高強度鉄筋(SD490・SD590等) | SD390を超える高強度鉄筋は大臣認定材として使用(平成13年告示第1024号) |
| 特殊形状の鋼材 | JIS規格外の断面形状の鋼材等 |
規定に適合しない材料を使うとどんな問題が起きるのか
法第37条に適合しない材料を構造耐力上主要な部分に使用した場合、設計時に想定した許容応力度・強度が確保されない可能性があります。これは建築物全体の構造安全性に直結するため、材料の品質管理と確認は構造設計上の基本事項です。
なぜ法第37条で使用材料を規定しているのか
構造計算では、使用する材料が設計で想定した強度・剛性を持つことを前提に部材断面を決定します。
JIS規格材や大臣認定品を義務付けるのは、この前提を法的に担保するためです。
品質が不明な材料では設計時の想定応力度を確認できず、計算の信頼性が根拠を失います。
JIS規格外の材料はすべて使えないのか
JIS規格に適合しない材料でも、国土交通大臣の認定(法第37条第二号)を取得すれば使用できます。
高強度コンクリート(Fc36N/mm²超)・高強度鉄筋(SD490等)などはJIS規格の範囲外ですが、特殊な材料強度を定める告示第1024号や大臣認定を通じて使用が認められています。
新材料や特殊材料も同様に大臣認定を経て構造部材に採用できます。
試験で問われやすいポイント
- 法第37条の材料の2条件:①JIS規格(日本産業規格)に適合する材料(第一号)、または②国土交通大臣が認定した材料(第二号)のいずれかを満たせばよい(択一条件)。両方を満たす必要はない。
- 高強度コンクリート・鉄筋(法第37条・告示):Fc36N/mm²超のコンクリート・SD390を超える高強度鉄筋(SD490等)は、特殊な材料強度を定める告示第1024号または大臣認定による。SD390まではJIS G 3112の範囲。
- 木材の品質(令第41条):節・腐れ・繊維の傾斜・丸身等による耐力上の欠点がないものとすること。含水率20%以下(乾燥材)は令第41条の規定ではなくJAS・基準強度告示が前提とする乾燥状態。含水率が高いと強度低下・クリープ変形が大きくなる。
- 法第37条は「耐久性等関係規定」ではないため、ルート3(保有水平耐力計算)においても適用される(除外対象外)。材料品質の規定はどの計算ルートでも遵守が必要。
一問一答
Q. 法第37条による、構造耐力上主要な部分に使用できる材料の条件を2つ答えよ。
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①JIS規格(日本産業規格)に適合する材料(第一号)、または②国土交通大臣が認定した材料(第二号)のいずれか。どちらかを満たせばよい(択一条件)。
Q. 設計基準強度Fc40N/mm²の高強度コンクリートを構造耐力上主要な部分に使用する場合、法第37条上どのような手続きが必要か。
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国土交通大臣の認定(または特殊な材料強度を定める告示第1024号)が必要。Fc36N/mm²超のコンクリートは通常のJIS規格の範囲外となるため、大臣認定材として使用する(法第37条第二号・法第37条)。
Q. 令第41条は構造用木材の何を定めているか。また乾燥材の含水率の目安は何%以下か。
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令第41条は、構造耐力上主要な部分の木材に節・腐れ・繊維の傾斜・丸身等による耐力上の欠点がないことを求める規定。含水率20%以下(乾燥材)は令第41条の規定ではなくJAS・基準強度告示が前提とする乾燥状態。含水率が高いと強度低下・クリープ変形の増大・腐食リスクが生じる。
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参照
- 建築基準法施行令 第41条(木材の品質)
- 建築基準法 第37条(建築材料の品質・大臣認定)
- 平成13年国土交通省告示第1024号(特殊な許容応力度及び特殊な材料強度。高強度鉄筋・高強度コンクリート等)