大臣認定とは?種類と取得手続き(令第81条・法第37条)

ルート君

大臣認定って、どういう手続きが必要なの?

大臣認定は、建築基準法で定められた仕様・計算方法によらない材料・構造方法・計算方法を使用するために必要な、国土交通大臣による認定です。

大臣認定は、建築基準法の規定に基づき国土交通大臣が行う認定の総称です。

告示に規定された仕様や計算方法によらない建築材料・構造方法・計算方法を採用する際に必要となります。

構造計算の大臣認定ルートは構造計算適合性判定が不要になるため、免震構造制振構造・超高層建築物に広く活用されます。

大臣認定にはどんな種類があるのか

種類 内容 根拠規定
材料認定(建築材料) 告示に規定されていない建築材料(高強度コンクリート・特殊鋼材等)の使用許可 法第37条第二号
構造方法認定 告示の仕様規定によらない構造方法(特殊な接合部・CFT柱等)の許可 令第38条第6項ほか各条
構造計算認定(大臣認定ルート) 令第81条第1項に基づく超高層・免震・制振等の特別な構造計算方法の許可 令第81条第1項
防火材料等の認定 不燃材料・準不燃材料・難燃材料・防火設備等の認定 法第2条第九号ほか

大臣認定の申請はどこに・どんな手順で行うのか

構造関係の大臣認定(材料認定・構造方法認定・構造計算認定)は、国土交通大臣の指定する性能評価機関(一般財団法人日本建築センター等)に性能評価を申請し、評価書を添えて国土交通省に認定申請します。

手続きの段階 内容
性能評価申請 指定性能評価機関(BCJ等)に申請。設計図書・計算書・試験データを提出。
性能評価書の取得 評価機関が審査し、性能評価書を発行。
大臣認定申請 国土交通省(住宅局建築指導課)に認定申請。性能評価書を添付。
大臣認定書の取得 認定番号(例:MCA-○○○○等)が付与された認定書を取得。

大臣認定ルートは適合性判定が不要なのか

建築基準法施行令 第81条第1項(大臣認定ルート)

法第20条第1項第一号の規定により、建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準は、(中略)国土交通大臣が定めた方法により、又は国土交通大臣の認定を受けた方法により、安全性を確かめることとする。

大臣認定ルート(令第81条第1項)は、法第6条の3の「特定構造計算基準」に該当しないため、構造計算適合性判定は不要です。

認定を受ける過程で国土交通省(指定性能評価機関経由)による構造安全性の審査が行われるためです。

一方、ルート3(令第81条第2項第一号)は特定構造計算基準に該当するため、適合性判定が必要です(ただしルート2主事が在籍する確認検査機関では免除)。

なぜ大臣認定という制度があるのか

建築基準法は1998年(平成10年)の改正で「仕様規定」から「性能規定」へと転換しました。

性能規定化により、告示の仕様によらなくても同等以上の性能があれば使用できる仕組みが整備されました。

大臣認定はその具体的な手段です。

新しい材料・技術・構造方法が告示の対象外であっても、性能評価を経て認定を取得すれば使用できます。

これにより建築技術の革新と安全性確保を両立しています。

試験で問われやすいポイント

  • 大臣認定ルート(令第81条第1項)→ 適合性判定は不要R2問53正:「大臣認定→不要」・R5問11)。ルート3(令第81条第2項第一号)は必要。ルート2も適合性判定が必要(ルート2主事がいる確認検査機関では免除)。
  • 材料認定(法第37条第二号):Fc36超(Fc=37以上の高強度コンクリート)はJIS A5308(普通コンクリート)の範囲外となり法第37条第二号の大臣認定が必要。SD390超(SD490等)も同様に大臣認定必要。Fc36以下・SD390以下はJIS規格品で対応可能。
  • 高さ60m超の建築物は令第81条第1項の大臣認定ルートが必須(令第81条第2項のルート1〜3・限界耐力計算では対応不可)。

一問一答

Q. 令第81条第1項の大臣認定ルートで確認申請する場合、構造計算適合性判定は必要か?

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A. 不要。大臣認定を取得する過程で国土交通省による構造安全性の審査が行われるため、別途の構造計算適合性判定は免除される(R2問53R5問11)。ルート3・限界耐力計算は適合性判定が必要であることと対比して覚える。

Q. 設計基準強度Fc=42N/mm²のコンクリートを使用したい場合に必要な手続きは?

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A. Fc42はFc36を超えるため、法第37条第二号の大臣認定(材料認定)が必要。Fc36以下の普通コンクリート(JIS A5308・法第37条第一号)では対応できないため、指定性能評価機関で性能評価を受けた上で大臣認定を取得する必要がある(法第37条第二号の「大臣認定品」として使用)。

Q. 高さ80mの超高層建築物を設計する場合の構造計算方法は?

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A. 令第81条第1項の大臣認定ルートが必要。高さ60m超は法第20条第1項第一号に規定される第一種構造特定建築物に該当し、令第81条第2項(ルート1〜3等)では対応できない。時刻歴応答解析等を用いた大臣認定計算が必要(適合性判定は不要)。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法 第37条第二号(建築材料の大臣認定)
  • 建築基準法施行令 第81条第1項(大臣認定に基づく構造計算)
  • 建築基準法 第6条の3(構造計算適合性判定)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。