木造軸組構法とは?柱・梁・筋かい・土台の断面規定(令第43条・第45条)

ルート君

木造軸組構法の柱や梁って、どんな規定があるの?

木造軸組構法の柱・梁・筋かい・土台の断面規定は、令第43条・第45条に定められています。

木造軸組構法(在来工法)は、柱・梁・筋かい等の線材(軸組材)で構造体を構成する工法です。耐力壁と組み合わせることで地震力・風圧力に抵抗する構造体を形成します。

建築基準法施行令では、軸組を構成する各部材の断面寸法・設置基準が令第41条〜令第50条に規定されています。

軸組はどんな部材で構成されているのか

部材名 役割 主な根拠規定
鉛直荷重・水平力を基礎に伝達する主要垂直材 令第43条(断面寸法・有効細長比)
梁(横架材) 床・屋根の荷重を柱に伝達する水平材。大梁・小梁・胴差し等を含む。 令第44条(横架材の欠き込み禁止等)
筋かい(ブレース) 水平力に抵抗する斜材。引張・圧縮筋かいがある。 令第45条(筋かいの断面・取付け)
土台 柱の下部と基礎を連結する横材。アンカーボルトで基礎に固定する。 令第42条(土台の設置・防腐措置)
火打ち梁・火打ち土台 床・屋根面の水平剛性を確保するための斜材 令第46条第3項(水平構面の剛性確保)

柱の断面寸法はどう規定されているのか(令第43条)

建築基準法施行令 第43条第1項(柱の小径)

構造耐力上主要な部分である柱の張り間方向及びけた行方向の小径は、それぞれの方向でその柱に接着する横架材相互間の垂直距離に対して、次の表に掲げる割合以上としなければならない。(割合は屋根の種類・階数・柱の位置に応じて1/33〜1/20等。表略)

柱の種別 最小断面積 適用条件
一般の柱の小径(令第43条第1項) 横架材間の垂直距離 × 表の割合(1/33〜1/20)以上 屋根の重さ・階数・柱の位置で割合が決まる。実務では10.5cm角(3.5寸)等が多い
階数が2を超える(3階建て以上)建築物の1階の柱 小径13.5cm 以上 令第43条第6項(金物緊結+構造計算で安全を確認すれば適用除外)
階数2以上の建築物のすみ柱(又はこれに準ずる柱) 通し柱とする(同等以上の接合で代替可) 令第43条第5項(寸法ではなく通し柱とする規定)

筋かいの断面と取付けはどう規定されているのか(令第45条)

建築基準法施行令 第45条第1項・第2項(筋かい)

第1項:構造耐力上必要な部分に設ける引張り力を負担する筋かいは、厚さ1.5cm以上で幅9cm以上の木材又は径9mmの鉄筋を使用したものとしなければならない。圧縮力を負担する筋かいには、厚さ3cm以上で幅9cm以上の木材を使用しなければならない。

第2項:筋かいは、その端部を、柱と横架材との仕口に近接して、ボルト、かすがい、釘その他の金物で緊結しなければならない。

筋かいの断面は引張筋かい(片側)か圧縮筋かい(両側・たすき掛け)かによって異なります。

引張筋かいは断面積が小さくても機能しますが、圧縮筋かいは座屈を考慮した断面が必要です。

筋かいの端部は、柱・横架材との仕口に欠き込みを設けて取り付けてはならず(令第45条第2項)、金物による確実な接合が必要です(2000年改正・N値計算の導入)。

軸組の見付面積と必要壁量はどう関係するのか

令第46条では、建物の床面積・屋根重量・風圧力(見附面積)に応じた必要壁量を算定し、実際に設置される有効壁量(筋かい・面材の長さ × 壁倍率)が必要壁量以上であることを確認します。

なぜ下階・3階建ての柱は太くする必要があるのか

木造建築物では、柱にかかる荷重は上の階から積み重なって下の階ほど大きくなります。

令第43条第1項は、柱の小径を「横架材相互間の垂直距離 × 表の割合(1/33〜1/20)」以上と定めており、階数が多い・屋根が重いほど割合が大きく(柱が太く)なります。

さらに令第43条第6項は、階数が2を超える(3階建て以上)建築物の1階の柱について小径を13.5cm以上と規定しています(金物緊結+構造計算で安全を確認した場合は除く)。

また令第43条第5項により、階数2以上の建築物のすみ柱(又はこれに準ずる柱)は原則として通し柱としなければなりません(これは断面寸法ではなく「継がずに1本で通す」という規定です)。

試験で問われやすいポイント

  • 木造柱の小径(令第43条):原則は横架材間の垂直距離×割合(1/33〜1/20)以上(第1項)。加えて階数が2を超える(3階建て以上)建築物の1階の柱は小径13.5cm以上(第6項)。階数2以上のすみ柱は通し柱(第5項・寸法でなく通し柱とする規定)。「2階建ての1階柱が一律13.5cm」「通し柱が12cm角」とするのは誤り。
  • 筋かいの端部処理(令第45条第2項):柱または横架材との接合部での欠き込みは禁止。金物(専用筋かいプレート等)による確実な緊結が必要(2000年改正で強化)。欠き込みは断面欠損→地震時の破断リスクが高まる。
  • 火打ち梁・火打ち土台(令第46条第3項):床・屋根面の水平剛性(ダイアフラム効果)を確保するための斜め材。地震時の水平力を耐力壁に伝達するための水平構面の剛性確保が目的。特に大スパンの建物では省略すると水平力伝達が不十分になる。

一問一答

Q. 「階数が2を超える建築物の1階の柱の小径は13.5cm以上」とは何階建ての建物に適用されるか(令第43条第6項)?

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A. 3階建て以上(地階を除く階数が2を超える)の建築物の1階の柱に適用される(令第43条第6項)。2階建ての1階柱には13.5cmの一律規定は適用されず、令第43条第1項の「横架材相互間の垂直距離×割合(1/33〜1/20)以上」で小径を決める。ただし金物緊結+構造計算で安全を確認すれば第6項は適用除外。

Q. 筋かいの端部で欠き込みを設けることが禁止されている根拠条文と理由は?

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A. 令第45条第2項に「筋かいは、その端部を、柱と横架材との仕口に近接して、ボルト、かすがい、釘その他の金物で緊結しなければならない」と規定。欠き込みによる仕口での断面欠損は、地震時の引張力によって筋かいが仕口で破断するリスクがあるため禁止。2000年改正(平成12年)で接合部の金物緊結が強化された。

Q. 火打ち梁(令第46条第3項)を設置する目的を述べよ。

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A. 床・屋根面の水平剛性(ダイアフラム剛性)を確保するため。地震時の水平力が建物に作用すると、床面・屋根面がダイアフラムとして水平力を各耐力壁に分配する必要がある。火打ち梁はこの水平構面に斜め材を加えて面内の剛性・耐力を高め、水平力を確実に耐力壁・筋かいに伝達する役割を担う。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第41条〜令第50条(木造の仕様規定)
  • 建築基準法施行令 第43条(柱の断面寸法)
  • 建築基準法施行令 第45条(筋かいの規定)
  • 建築基準法施行令 第46条(耐力壁・必要壁量)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。