木造の仕様規定とは?柱・耐力壁・筋かいの数値と条文一覧(令第40条〜第50条)

ルート君

木造の仕様規定って、何を決めてるの?

木造の仕様規定は令第40条〜第50条に規定され、柱・耐力壁・筋かい・接合部の数値が定められています。

木造の仕様規定は、建築基準法施行令第40条〜第50条に規定されています。

基礎・土台・柱・筋かい・耐力壁・接合部・屋根の各部位について、最低限の部材寸法・緊結方法・耐力壁量を定めた規定です。

木造の仕様規定はどんな条文で構成されているのか

条番号 内容
令第40条 木造の適用範囲(小屋組・床組の規定適用条件)
令第41条 木材の品質(乾燥・製材等の規定)
令第42条 土台・基礎の緊結(アンカーボルト
令第43条 柱の小径(横架材間の垂直距離に対する割合)・有効細長比150以下
令第44条 はり等の横架材(中央部付近の下側の欠込み制限)
令第45条 筋かいの規定(断面・引張・圧縮)
令第46条 耐力壁の設置(壁量計算・配置)
令第47条 継手又は仕口の緊結(ボルト締・かすがい打・込み栓打等)
令第48条 学校の木造の校舎の特例
令第49条 外壁内の防水・防腐措置
令第50条 削除(現在は規定なし)

柱の小径はどう規定されているのか(令第43条)

柱の小径(断面の小さいほうの幅)は、令第43条第1項で「横架材間の垂直距離に対する割合」として定められています。絶対寸法(cm角)ではなく割合で規定される点に注意してください。

項目 規定内容 根拠
柱の小径 横架材間の垂直距離に対する割合(表)以上。屋根・壁が重いほど、また下階ほど大きい割合が必要(例:軽い屋根の2階建ての1階柱は1/30以上 令第43条第1項(表)
すみ柱等 階数2以上の建築物では通し柱とする(同等以上に補強した接合部は除く) 令第43条第5項
柱の有効細長比 150以下 令第43条第6項

耐力壁の必要壁量はどうやって決まるのか(令第46条)

木造の耐力壁は、各階・各方向に必要な壁量を令第46条に基づいて確保します。

必要壁量は、床面積に乗ずる係数(地震力用)と見付面積に乗ずる係数(風圧力用)のいずれか大きい値で決まります(令第46条第4項)。

  • 地震力用の必要壁量:床面積×係数(階・構造による)
  • 風圧力用の必要壁量:見付面積×係数(地域による基準風速に対応)
  • 耐力壁(軸組)の種類と壁倍率は令第46条第4項の表および昭和56年建設省告示第1100号に規定されています(告示第1460号はN値計算・継手仕口の接合)。

筋かいの断面と壁倍率はどう規定されているのか(令第45条)

筋かいは引張・圧縮の双方を受ける部材で、令第45条に断面と端部の規定があります。

筋かいの種類 最小断面寸法 壁倍率(参考)
引張筋かい(木材) 1.5cm×幅9cm以上(または径9mm以上の鉄筋) 壁倍率1.0
圧縮筋かい(木材) 3cm×幅9cm以上 壁倍率1.5
厚4.5cm×幅9cmの筋かい 4.5cm×幅9cm以上 壁倍率2.0
たすき掛け(上記を両方向に2本) 同種の筋かいを2本 各倍率の2倍(上限5.0)

仕様規定だけで構造計算は不要なのか

木造の仕様規定(令第40条〜第50条)は、小規模な木造建築物が一定の安全性を確保できるよう、部材寸法・壁量・接合部を具体的な数値で定めています。

これらを満たせば、許容応力度計算等の構造計算を行わなくてもよい場合があります(いわゆる四号建築物の特例)。

ただし仕様規定は「最低限の安全性」を担保するものであり、建物の規模・形状・荷重条件によっては仕様規定の適用範囲外となります。

3階建て木造・延べ面積500㎡超等では許容応力度計算等の構造計算が必要です(令第36条の2・法第20条)。

なぜ柱の断面寸法に最低基準があるのか

柱の小径に最低基準を設ける理由は、座屈(細長い柱が横に曲がる現象)を防ぐためです。

屋根や壁が重い建築物・下階の柱ほど大きい割合(太い小径)が求められるのは、それらの柱がより大きな軸力・曲げを受けるためです。

構造計算で有効細長比を確認した場合はこれらの規定によらなくてよい(令第43条ただし書)ため、計算によって別の断面でも安全性を証明できます。

仕様規定の数値は「計算を省略するための代替基準」と理解するとわかりやすくなります。

試験で問われやすいポイント

  • 平成28年 学科4 問80(選択肢1誤):地震力による必要壁量は張り間・けた行で同じ値。異なるのは風圧力の場合(見付面積が方向によって違う)。「地震でも方向差がある」という誤りに注意。
  • 平成28年 学科4 問80(選択肢3正):風圧力の見付面積は「1階床面から高さ1.35mを超える部分」で算定する(令第46条第4項)。
  • 柱の小径(令第43条第1項):横架材間の垂直距離に対する割合で定められ、屋根・壁が重いほど、また下階ほど大きい割合が必要(例:軽い屋根の2階建て1階柱は1/30以上)。絶対寸法(cm角)ではない点に注意。すみ柱等は通し柱(第5項)、有効細長比150以下(第6項)。構造計算で安全を確かめた場合は同条ただし書により適用除外。
  • 筋かいの最小断面(令第45条):引張筋かい厚1.5cm×幅9cm以上・圧縮筋かい厚3cm×幅9cm以上。圧縮筋かいのほうが厚い。壁倍率は1.5×9で1.0、3×9で1.5、4.5×9で2.0、たすき掛けで各2倍(上限5.0)。

一問一答

Q. 木造軸組工法の地震力に対する必要壁量(令第46条)は、張り間方向とけた行方向で異なる値となるか。

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異ならない(同じ値)。地震力による必要壁量は床面積×係数で方向に関係なく同じ。方向によって値が異なるのは風圧力(見付面積×係数)の場合。(平成28年 問80 選択肢1誤の根拠)

Q. 木造の柱の小径は令第43条でどのように定められているか。

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柱の小径は、横架材間の垂直距離に対する割合(表)以上とする(令第43条第1項)。屋根・壁が重いほど、また下階ほど大きい割合が必要(例:軽い屋根の2階建て1階柱は1/30以上)。絶対寸法(cm角)ではなく割合で規定される点に注意。すみ柱等は通し柱(第5項)、有効細長比150以下(第6項)。構造計算で安全を確かめた場合はこの限りでない(同条ただし書)。

Q. 木造の引張筋かいと圧縮筋かいの最小断面寸法の違いを答えよ(令第45条)。

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引張筋かいは厚1.5cm×幅9cm以上(または径9mm以上の鉄筋)、圧縮筋かいは厚3cm×幅9cm以上(令第45条)。圧縮筋かいのほうが厚い。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第40条〜第50条(木造の仕様規定)
  • 建築基準法施行令 第46条(木造の耐力壁)
  • 昭和56年建設省告示第1100号(木造耐力壁の種類・壁倍率)
  • 平成12年建設省告示第1460号(木造の継手・仕口の接合方法・N値計算)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。