荷重の組み合わせとは?長期・短期の計算ケースと多雪区域の特例(令第82条第1号)
ルート君
荷重の組み合わせって、なんで複数のケースを計算するの?
荷重の組み合わせは長期と短期で異なり、令第82条第1号が計算ケースを定めています。
建築基準法施行令 第82条第1号(許容応力度計算)
次の各号に定める構造計算を行うこと。
一 次に掲げる場合において(中略)各構造部材及び接合部に生じる力が(中略)許容応力度以下であることを確認する。
令第82条第1号ではどんな組み合わせが規定されているのか
構造計算では、複数の荷重を同時に考慮するケースを「荷重の組み合わせ」として検討します。
令第82条第1号は、許容応力度計算における組み合わせケースを定めており、各ケースで応力度が許容値を超えないことを確認します。
荷重の組み合わせケースにはどんな種類があるのか
| ケース | 組み合わせ | 許容応力度 |
|---|---|---|
| 長期荷重時 | 固定荷重 + 積載荷重(+ 多雪区域は積雪荷重) | 長期許容応力度 |
| 短期荷重時(積雪) | 固定荷重 + 積載荷重 + 積雪荷重 | 短期許容応力度 |
| 短期荷重時(風) | 固定荷重 + 積載荷重 + 風圧力 | 短期許容応力度 |
| 短期荷重時(地震) | 固定荷重 + 積載荷重 + 地震力 | 短期許容応力度 |
長期・短期の荷重の組み合わせケースは、国土交通省の資料(下図)でも整理されています。
多雪区域ではどんな組み合わせが追加されるのか
- 多雪区域では「固定荷重 + 積載荷重 + 0.35 × 積雪荷重 + 地震力」の組み合わせも必要です(令第82条第1号)。
- 短期許容応力度は長期許容応力度の1.5倍(一般に)です。
長期荷重と短期荷重はどう違うのか
- 長期荷重は常時作用する荷重で、長期許容応力度に対して照査します。
- 短期荷重は一時的に作用する荷重(積雪・風・地震)で、短期許容応力度に対して照査します。
なぜ複数の荷重を組み合わせて検討するのか
現実の建築物には複数の荷重が同時に作用します。
固定荷重・積載荷重という常時の重さに、地震・風・積雪という一時的な力が加わる状況を想定しなければ、最も不利な状態での安全性を確認できません。
荷重の組み合わせはこの現実を計算に取り込むための規定です。
なぜ長期と短期で許容応力度に差があるのかというと、一時的な荷重(地震・風・積雪)は常時作用するわけではなく、継続的な疲労劣化が生じにくいためです。
短期許容応力度が長期の1.5倍に設定されているのは、この考え方に基づいています。
試験で問われやすいポイント
- 多雪区域の地震時荷重組み合わせ:固定荷重 + 積載荷重 + 0.35 × 積雪荷重 + 地震力(令第82条第1号)。積雪荷重を「全量」ではなく「0.35倍」として地震時に加算する点が出題される。「多雪区域でも地震時に積雪荷重はゼロ」とする誤答に注意。
- 多雪区域では長期荷重ケースに積雪荷重を含める(固定+積載+積雪を長期許容応力度で検討)。一般区域との違いが問われる。
- 短期許容応力度の水準:原則として長期許容応力度の1.5倍。風・地震・積雪(短期)時の設計では短期値を使う。「短期は長期の2倍」とする誤答に注意。
一問一答
Q. 多雪区域において、地震時の荷重組み合わせに積雪荷重の何倍を加算するか(令第82条第1号)。
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0.35倍(35%)。「固定荷重 + 積載荷重 + 0.35 × 積雪荷重 + 地震力」が多雪区域の地震時組み合わせ(令第82条第1号)。
Q. 一般区域では積雪荷重は長期荷重ケースに含まれるか。
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含まれない。一般区域では積雪荷重は短期荷重(積雪時ケース:固定+積載+積雪)のみで検討。長期荷重に含まれるのは多雪区域だけ(令第82条第1号)。
Q. 短期許容応力度は長期許容応力度の何倍か(原則)。
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1.5倍(原則)。積雪・風・地震の短期荷重ケースで用いる。例外(一部の材料・構造)があるため「原則」を付ける(令第89条等)。
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参照
- 建築基準法施行令 第82条第1号(許容応力度計算の荷重組み合わせ)
- 建築基準法施行令 第88条第1項(多雪区域では地震用重量に積雪荷重を算入)