固定荷重・積載荷重とは?単位荷重の数値と3通りの積載荷重(令第84条・第85条)
ルート君
固定荷重と積載荷重って、何が違うの?
固定荷重(G)は建物自身の重さ、積載荷重(P)は人・家具など使用によって生じる重さです。
建築基準法施行令 第84条(固定荷重)
建築物の各部の固定荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。
ただし、次の表に掲げる建築材料の単位荷重を用いて計算することができる。
固定荷重の単位荷重はどんな数値か(令第84条)
構造計算に用いる鉛直荷重のうち、固定荷重は令第84条、積載荷重は令第85条に定められています。
固定荷重は原則として実況に応じて計算しますが、令第84条の表の単位荷重を用いることができます。
| 建築材料 | 単位荷重(kN/m³) |
|---|---|
| 普通コンクリート | 23 |
| 軽量コンクリート(1種) | 17 |
| 鋼材 | 78 |
| 木材 | 8 |
積載荷重はなぜ3通りの数値があるのか(令第85条)
建築基準法施行令 第85条第1項(積載荷重)
建築物の各部の積載荷重は、当該建築物の実況に応じて計算しなければならない。ただし、室の種類に応じて床・梁・地震力の3区分の数値を用いて計算することができる。
積載荷重は、床・大梁・地震力の計算でそれぞれ異なる数値を用います(令第85条第1項)。
- 床の計算:局部的な最大荷重を想定(3種の中で最も大きい値)
- 大梁の計算:床全体の平均的な荷重を想定(中程度の値)
- 地震力の計算:建物全体に一斉に最大荷重がかかる確率は低いため、低減した値(最も小さい値)
数値の詳細と低減規定(柱・基礎の床数低減は第2項、倉庫業の倉庫の下限3,900N/m²は第3項)は積載荷重の種類と低減(令第85条)をご覧ください。
なぜ固定荷重と積載荷重を分けて規定しているのか
建築物にかかる鉛直荷重は「常に作用する重さ(固定荷重)」と「使用状況によって変動する重さ(積載荷重)」という性質の異なるものが混在しています。
これを一括りにすると、使用状況の変化に対して不合理な設計になりかねません。
固定荷重と積載荷重を分けて規定することで、荷重の組み合わせ(長期・短期)や積載荷重の低減計算を合理的に行えるようにしています。
積載荷重が計算目的ごとに3通りある理由も同じ発想です。
床は局所集中を、大梁は平均分布を、地震力は同時最大の生起確率の低さを、それぞれ反映した数値にすることで、過大・過小のない合理的な設計基準を実現しています。
試験で問われやすいポイント
- 令第85条の積載荷重の大小関係:床の計算 > 大梁の計算 > 地震力の計算。「地震力の計算では積載荷重を最大値で使う」とする選択肢は誤り。
- 平成30年 学科3 問51:積載荷重の低減係数の適用が出題。令第85条第2項に基づき、柱・基礎が支える床の数に応じて(ろ)欄(大梁・柱・基礎用)の数値に低減係数を乗じる(支える床2枚: 0.95、3枚: 0.9、4枚: 0.85、5枚: 0.8…9枚以上: 0.6)。低減係数を適用せず低減前の数値をそのまま使うことを誤りとする設問が出題された(劇場・集会場等の客席(表(五))は低減の対象外)。
- 固定荷重の単位荷重:普通コンクリート23 kN/m³、鋼材78 kN/m³、木材8 kN/m³(令第84条)。これらの数値は頻出暗記項目。
一問一答
Q. 普通コンクリートの固定荷重として用いる単位荷重は何kN/m³か(令第84条)。
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23 kN/m³。軽量コンクリート(1種)は17 kN/m³、鋼材は78 kN/m³。
Q. 積載荷重(令第85条)の3通りの数値を大きい順に並べると。
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床の計算 > 大梁の計算 > 地震力の計算。地震力の計算では全空間が同時に最大荷重になる確率が低いため、最も小さい値を用いる。
Q. 教室の柱が4枚の床を支える場合、積載荷重に乗じる低減係数はいくつか(令第85条第2項)。
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0.85。教室の大梁・柱・基礎の計算値(2,100 N/m²=(ろ)欄)に支える床4枚に対応する0.85を乗じた値を用いる(令第85条第2項・平成30年 学科3 問51)。支える床が3枚なら0.9、5枚なら0.8。
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参照
- 建築基準法施行令 第84条(固定荷重)
- 建築基準法施行令 第85条(積載荷重)