鉄骨造柱脚の設計基準とは?露出型・根巻型・埋込型の違い(告示第1456号・令第66条)

ルート君

鉄骨造の柱脚って、どんな設計基準があるの?

平成12年建設省告示第1456号は、鉄骨造の柱脚設計の具体的な基準を定めた告示です。

令第66条(鉄骨造の柱の脚部の接合)に基づき、露出型・根巻型・埋込型の各柱脚形式ごとの設計方法が規定されています。

露出型・根巻型・埋込型、それぞれどう設計するのか

建築基準法施行令 第66条(鉄骨造の柱の脚部の接合)

建築物の構造上主要な部分として使用する鉄骨造の柱の脚部は、国土交通大臣が定める基準に従った構造方法を用いなければならない。

柱脚形式 概要 主な設計上の特徴
露出型柱脚 ベースプレートをコンクリート基礎の上面に設置し、アンカーボルトで固定する形式 回転剛性が低め。アンカーボルトの引張力・ベースプレートの曲げ・コンクリートの支圧を設計する。
根巻型柱脚 鉄骨柱の下部をRC基礎立上がり(根巻き)で包んで固定する形式 根巻き高さが柱径の2.5倍以上のとき固定端として扱える。根巻き部のRC配筋(帯筋・主筋)の設計が重要。
埋込型柱脚 鉄骨柱の下部を基礎梁または基礎に埋め込んで固定する形式 最も高い固定度。埋め込み深さが柱径の2倍以上のとき固定端として扱える。支圧力の算定が重要。

露出型柱脚のアンカーボルトはどう設計するのか

平成12年建設省告示第1456号(アンカーボルトの要件)

露出型柱脚のアンカーボルトは、ナット2重締め(二重ナット)かつ座金付きとし、ベースプレートに確実に定着しなければならない。

露出型柱脚のアンカーボルトは、地震時の転倒モーメントによる引張力に対して設計します。

アンカーボルトはナット2重締め(二重ナット)・座金付きとし、引張力に対する定着を確保します(告示第1456号)。

また、柱脚の降伏が柱の塑性化より先に生じないよう、柱脚の設計耐力を適切に確保します。

柱脚の固定度は構造計算にどう影響するのか

柱脚は柱と基礎をつなぐ部位で、建物の水平力を地盤に伝える最終的な経路です。

固定度が異なると柱の有効座屈長さが変わり、断面設計の結果が大きく変わります。

柱脚の固定度(ピン・半固定・固定)は、柱の有効座屈長さに影響します。

露出型ピン柱脚とした場合、柱の有効座屈長さが増大し、圧縮強度が低下するため断面が大きくなる場合があります。

ルート3での保有水平耐力計算では、柱脚の塑性化能力(回転変形能力)も保有水平耐力の評価に含めます。

柱脚形式による固定度の違いは構造特性係数DSの値にも影響します。

試験で問われやすいポイント

  • 柱脚3形式の固定度の大小:埋込型>根巻型>露出型(固定度が高い順)。固定度が高いほど柱脚の塑性変形能力が大きく、DS値算定上有利になる(露出型ピン扱いではDS悪化)。
  • 固定端扱いの条件(告示第1456号):根巻型=根巻き高さが柱径の2.5倍以上、埋込型=埋込深さが柱径の2倍以上。これ未満の場合は固定端計算不可。
  • 露出型柱脚のアンカーボルト(告示第1456号):ナット2重締め・座金付き(引張力に対する定着確保)。アンカーボルトの設計では転倒モーメントによる引張力・ベースプレートの曲げ・コンクリート支圧の検討が必要。

一問一答

Q. 根巻型柱脚を固定端として構造計算に用いることができる告示上の条件は?

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A. 根巻き高さが柱径の2.5倍以上であること(平成12年建設省告示第1456号)。この条件を満たさない場合は固定端として扱えず、半固定またはピン扱いとなり、柱の有効座屈長さが増大して断面設計に不利になる。

Q. 鉄骨造柱脚の3形式(露出型・根巻型・埋込型)を固定度の高い順に並べよ。

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A. 埋込型>根巻型>露出型の順に固定度が高い。露出型は回転剛性が低くピン柱脚として扱われることが多く、DS値算定上不利になりやすい。埋込型は最も固定度が高く、柱の有効座屈長さを小さくできるが施工コストが高い。

Q. 露出型柱脚のアンカーボルトについて、告示第1456号で定められた施工上の要件は?

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A. ナット2重締め(二重ナット)・座金付きとすること(告示第1456号)。地震時の転倒モーメントによる引張力でアンカーボルトが緩まないよう定着を確保する要件。これに加え、アンカーボルトの有効断面積・定着長さ・コンクリートへの定着(支圧・引抜き)の検討が必要。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第66条(鉄骨造の柱の脚部の接合)
  • 平成12年建設省告示第1456号(柱脚の設計方法)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。