無筋コンクリート基礎とは?令第38条改正(R7.4.1)で廃止になった経緯と新基準

ルート君

無筋コンクリートって、今でも基礎に使えるの?

2025年4月1日施行の令第38条・告示第1347号の改正により、無筋コンクリート基礎は廃止されました。新基準では、すべての地盤で鉄筋コンクリート(RC)造の基礎が必要です。

建築基準法施行令 第38条第3項(告示への委任/改正後・2025年4月1日施行)

建築物の基礎は、告示で定める構造方法を用いるものとしなければならない。ただし、建築物の構造、地盤の状況その他の事情を勘案して、国土交通大臣がこれと同等以上の効力があると認めた構造方法を用いた場合においては、この限りでない。

(趣旨要約:告示第1347号の改正により、布基礎・べた基礎ともにRC造が必須となった。無筋コンクリートによる布基礎は告示上の構造方法から除外された。)

無筋コンクリート基礎とはどういうものだったのか

無筋コンクリート基礎とは、鉄筋を配置せずコンクリートだけで成形した基礎です。

主に布基礎の形式で用いられ、逆T字型の断面をコンクリートのみで構成します。鉄筋がないため引張力に弱く、曲げや不同沈下に対してひび割れや破断が生じやすい構造です。

改正前は、告示第1347号の規定のもとで「不同沈下のおそれが少ない良好な地盤」に限り、無筋コンクリートによる布基礎が認められていました。

旧基準と新基準はどう違うのか

項目 改正前(〜2025年3月31日) 改正後(2025年4月1日〜)
地盤の条件 不同沈下のおそれが少ない良好な地盤(告示の要件を満たす場合)に限り無筋コンクリート布基礎を容認 地盤の良否にかかわらず、すべての地盤でRC基礎が必須
布基礎の仕様 無筋コンクリート造も告示上の選択肢として存在 布基礎・べた基礎ともにRC造(鉄筋コンクリート造)のみ
根拠告示 平成12年建設省告示第1347号(改正前) 平成12年建設省告示第1347号(令和6年改正・2025年4月1日施行)

なぜ無筋コンクリート基礎は廃止されたのか

省エネ化の進展により木造住宅の断熱材・窓・設備が重くなったことが背景にあります。建物が重量化するなかで、無筋基礎では曲げ・引張力への抵抗が不十分なため、地盤の良否にかかわらずRC基礎に一律化して構造安全性を確実に担保する方針が採られました。

RC基礎はコンクリートと鉄筋が一体となって曲げ・引張力に抵抗できるため、無筋基礎と比べて沈下や変形に対する耐性が高くなります。

経過措置はどうなっているのか

改正の施行は2025年4月1日ですが、小規模な木造建築物については1年間の経過措置が設けられています。

経過措置の対象となる建築物の要件は次のとおりです。

要件 数値
階数 2階以下
建築物の高さ 13m以下
軒の高さ 9m以下
延べ面積 300m²以下

これらの要件をすべて満たす木造建築物については、2026年3月31日までは旧基準(無筋コンクリート基礎)による設計・施工が認められていました。

2026年4月1日以降は、小規模木造であっても新基準が完全適用となり、無筋コンクリート基礎は使用できません。

RC基礎が義務付けられた後の基礎仕様はどうなるのか

改正後は、べた基礎・布基礎ともに告示第1347号の改正後の仕様に従ったRC造が必要です。

布基礎の場合は立上り部・フーチング部ともに鉄筋を配置したRC造とすることが求められます。

地盤の許容応力度による基礎形式の選択(20kN/m²未満は直接基礎不可・20〜30kN/m²はべた基礎のみ・30kN/m²以上は布基礎またはべた基礎)は引き続き適用されます。詳細は基礎の仕様規定(令第38条)を参照してください。

試験でどう問われるのか

この改正は2025年4月1日施行であるため、2026年度の建築士試験から出題対象となります。

改正前の旧基準を「正しい記述」として出題するひっかけパターンに注意が必要です。

試験で問われやすいポイント

  • 改正後(2025年4月1日〜)の基準:すべての地盤で布基礎・べた基礎ともにRC造が必須。無筋コンクリート基礎は廃止。「良好な地盤では無筋コンクリート基礎も使える」という旧基準の記述は誤りとなる。
  • 根拠規定:令第38条第3項および平成12年建設省告示第1347号(令和6年改正)。告示の改正によって無筋基礎が告示上の構造方法から除外された点を押さえる。
  • 経過措置の対象要件:2階以下・高さ13m以下・軒高9m以下・延べ面積300m²以下の木造建築物は2026年3月31日まで旧基準適用可。2026年4月1日以降は完全適用。試験では「経過措置なし」「対象に制限なし」等の誤答パターンに注意。
  • 改正の背景:省エネ化による建物の重量化に対応するため、地盤の良否を問わずRC基礎に一律化。「コスト削減のため」「施工期間短縮のため」等は誤り。

一問一答

Q. 2025年4月1日以降、良好な地盤(不同沈下のおそれが少ない地盤)において、無筋コンクリートによる布基礎を採用することはできるか(令第38条・告示第1347号)。

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できない。改正後(2025年4月1日施行)は地盤の良否にかかわらず、すべての地盤でRC造の基礎が必要。無筋コンクリート基礎は告示第1347号の改正により廃止された。

Q. 令和6年改正の経過措置において、旧基準(無筋コンクリート基礎)が2026年3月31日まで適用できる木造建築物の要件を4つ挙げよ。

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①2階以下 ②高さ13m以下 ③軒高9m以下 ④延べ面積300m²以下。4つの要件をすべて満たす木造建築物が対象。2026年4月1日以降はこれらの条件を満たす建築物も含め新基準が完全適用となる。

Q. 無筋コンクリート基礎が廃止された主な理由は何か。

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省エネ化の進展により木造住宅の重量が増加するなかで、無筋基礎では曲げ・引張力への抵抗が不十分なため。地盤の良否にかかわらずRC基礎に一律化することで、構造安全性を確実に担保する方針が採られた(令第38条・告示第1347号令和6年改正)。

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最終判断は、所管行政庁または確認検査機関に確認してください。本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。法改正により内容が変わる場合があります。

参照

  • 建築基準法施行令 第38条(基礎の設計)
  • 平成12年建設省告示第1347号(基礎の構造方法)令和6年改正・2025年4月1日施行
  • 平成13年国土交通省告示第1113号(地盤の許容応力度の算定)

この記事を書いた人

ルート君

建築士試験と構造法規を一緒に学ぶキャラクター。